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i remember nothing

文章の練習も兼ねています

スリーアウトチェンジ(スーパーカー)

気の迷いで音楽CDレビューをちょこちょこ書くことにした。

1枚目をどのアーティストにしようかと言うところではなぜかあまり迷わなくて、やっぱスーパーカーだよな、と自然に考えていた。 なにせ自分の中学高校時代を大きく切り取っていったバンドの一つである。他にもスピッツくるりにも傾倒していたが、その中でもスーパーカーが群を抜いて存在感を持っている。その後シューゲイザー、ローファイ音楽などに嵌っていったきっかけとしても重要な立ち位置を示している。同じような道を辿っていった同年代の人間も少なくないと思う。音楽性もそうだが、何より青春の記憶として強くこびりついている。だからこそ、迷いなくスーパーカーだ!と決断したのだろう。

そのスーパーカーのアルバム群の中でも今回は1stアルバム、「スリーアウトチェンジ」を紹介しようと思う。

スリーアウトチェンジ

スリーアウトチェンジ

まずスーパーカーというバンドが何なのか説明をしたい。スーパーカーは青森出身のスリーピースバンド。くるりナンバーガール中村一義と同じく97'の世代と呼ばれ以降の日本のロックバンドに大きな影響をもたらしていった。 初期に関して言えば、男女ツインボーカルシューゲイザーの影響を強く受けた轟音ギター、思春期の心情を痛いほどに表現した歌詞が特徴であり、さらにこの3つが絶妙にマッチしているところも聴きどころである。この3人だからこそ完成されたバンドという印象が強い。後期にかけてシューゲイザーギターポップからエレクトロ路線に変わっていく。3rd以降のアルバムも聴き倒したが、個人的には初期の轟音ギター路線の方が好きである。

さて、そんなバンドの1stアルバムがこのスリーアウトチェンジである。このころはメンバーが全員20歳前後だったのだと思う。友達に勧められてツタヤで借りて、高校の帰り道に電車の中でクソ田舎の景色を見ながら延々と聴き続けていたことを覚えている。 このアルバムの歌詞はとにかく痛くて恥ずかしい。歌詞は自己欺瞞モリモリだし向こう見ずで他人に依存的である。まさに思春期そのものである。青春という言葉抜きの青春である。歌詞だけでなく音もすごい。宅録っぽい音質も却ってポエミィな雰囲気を強めている。よくあるコード進行であるがかなりディストーション、ノイズが効いていてかつ疾走感がある。シンプルさが若さゆえの勢いを感じさせ、それでいて各所に遊び心を感じさせる変拍子が効いていたりしてとても楽しい。19曲(このころのCDの容量ギリギリだと思う)も入っているのに、捨て曲なんてものはない。。個人的には「Greenage」が歌詞、曲と共に一番気に入っている。「愛なんて興味ないし、いいカッコしたいだけ」の奴が「遊ばれてない?憧れてない?こんな僕に」である。

ハイティーン特有の普遍的な焦燥感が、気恥ずかしくて斜に構えてしまうあの感じが、言いたいことが上手く言えないもどかしさが、このアルバムの中にはものすごい濃度で存在する。個人的には今の10代にこそ聴いてほしいアルバムの一つである。